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ベネズエラ情勢:なぜデモは不発?なぜハイパーインフレが起きたのか [ニュース]



日本では新元号令和と長期休暇で盛り上がっていますが、
地球の反対側ではベネズエラが大変なことになっています…。


日本も反政府組織のクーデターを支持していますので、決して無関係ではありません。


死者4人と報じられている最近のデモがなぜ不発に終わったのか、

ベネズエラ社会を不安定化させたハイパーインフレがそもそもなぜ起こったのか

などについて書いてみたいと思います。



●5月1日(現地時間4月30日)のデモはなぜ不発に終わったのか


ベネズエラの現大統領であるニコラス・マドゥロ大統領
(日本のニュースは「マ」を強く発音することが多いですが、アクセントは「ドゥ」につきます。マドゥーロという発音に近いです。)


マドゥロ大統領の政権に反対する勢力をまとめているのが、野党出身で現国会議長のフアン・グアイド氏です。

グアイド氏は2019年1月にマドゥロ大統領に対抗して暫定大統領となることを宣言している、35歳の若きリーダーです。



このように、ベネズエラでは現在大統領が2人存在するという、内戦に近い状態となっています。


日本で令和が始まった5月1日(ベネズエラの現地時間で4月30日)、グアイド暫定大統領に呼びかけにより、大規模なデモが行われました。


しかし、「デモは小規模に終わり、不発だった」と日本のニュースでも報じられました。


個人的には、小規模という表現は疑問に思います。

既に死者4人、負傷者230人以上と報じられています。

日本のニュースでも、装甲車が民衆に突っ込む衝撃的な映像が流れていますし、
政府側が発砲しているという情報もあり、死傷者数はもっと多いのではないかと思います。


しかし、
グアイド暫定大統領の反政府側の目的は、マドゥロ大統領を国外追放することでしたが、
それは果たせず、逆にマドゥロ大統領が「デモは鎮圧した」と支持者に演説していますから、
不発だったことは確かでしょう。



このデモが不発に終わった最大の理由は、

軍の離反が一部のみだったためです。


今回のデモの呼びかけというのは、グアイド暫定大統領がSNSを通じて行ったのですが、
その動画ではグアイド氏の後ろに兵士が何人もいて、

撮影場所もマドゥロ大統領が支配していると思われた軍の基地の内部でした。


このことから、ベネズエラ軍がグアイド暫定大統領側についたと思われていたのですが、

実際には軍はマドゥロ大統領側に残り、デモを鎮圧したのです。





●そもそもなぜハイパーインフレになってしまったのか?

ベネズエラの情勢がここまで不安定化してしまったのは、ハイパーインフレーションが原因といわれています。

ハイパーインフレは、物価が暴騰(=通貨の価値が暴落)することですが、
どれほどのハイパーインフレが起きているかというと、
鶏肉を買うのにこれだけの紙幣が必要といわれています。






なぜここまでのハイパーインフレが起きてしまったのかというと、経済政策の失敗が原因です。

ベネズエラという国はもともと世界有数の産油国で、石油が豊富にとれます。

石油が枯渇したわけではないので、石油生産が戻れば豊かな国に戻れるはずなのですが、
現在の不安定な状態から立ち直ることは難しいといわれています。


マドゥロ大統領の前任はチャベス大統領という方だったのですが、彼のとった路線が反アメリカの社会主義。

石油で儲けていたころには社会主義に基づいて利益を国民に還元し、貧困層の絶大な支持を得ていました。

しかし、ベネズエラ経済が石油頼みだったときに中東などの石油生産力が大きくなり、
原油価格が下がってくるとベネズエラ経済はもろに打撃を受けてしまいます。


そして反米路線のために、欧米諸国から支援を受けることもできず、逆に経済制裁を受け続け、現在の惨状に至ったと言われています。

(ちなみに、チャベス前大統領は、前の記事で触れた"Por qué no te callas?"の言葉を当時のスペイン国王に言われた張本人です。)



チャベス前大統領の後継者であるマドゥロ大統領は今でも貧困層の支持を集めています。


一方のグアイド暫定大統領は、チャベス前大統領とマドゥロ大統領の経済政策失敗、貨幣価値の暴落の責任を追及したい、ベネズエラの中間層・富裕層の支持を受けています。




さらにベネズエラ情勢を大きくしているのは、国際社会の支持です。


マドゥロ大統領を支持するのは、ロシアと中国。

グアイド暫定大統領を支持するのは、アメリカをはじめとする西欧諸国です。
このなかに日本も含まれています。


日本を含む西欧諸国の言い分としては、チャベス・マドゥロ両大統領の悪政、独裁、非人道的行為によってベネズエラ国民は不利益を被っている、ということです。

実際、マドゥロ大統領は反対勢力を投獄し、弾圧しています。


しかし、マドゥロ大統領へのベネズエラ国内の支持があることも事実です。
マドゥロ大統領の支持層からは、グアイド暫定大統領は「アメリカの言いなり」といわれ、ベネズエラ国民の利益ではなく、アメリカの利益になることしかしない、といわれています。



今回起きたデモに関しても、両陣営に対して様々な情報がでています。

例えば、グアイド暫定大統領を支持する欧米諸国からの支援物資をマドゥロ大統領が軍を使って遮断、

逆にマドゥロ大統領側からの物資として国民に供給することで不当に支持を集めている、という情報があります。


一方で、例の装甲車が民衆に突っ込むという衝撃的な映像。

普通に考えれば、グアイド暫定大統領を支持するデモ隊をマドゥロ大統領側の軍が弾圧している、と見れます。

しかし、これはデモ隊側が軍の装甲車を奪取し、マドゥロ大統領側が非人道的行為をしていると見せるために民衆に突っ込むという、許しがたい自作自演行為だ、というツイートもされています。(↓ 実際のツイート)








情報が錯綜しており、現在ではベネズエラ国内の情報統制により続報が出にくい状態であるといわれています。

ただ、最早内戦状態であることは確かです。



今後の展望は、現在マドゥロ大統領側のベネズエラ軍がどちらにつくかによって変わってくるといわれています。

アメリカがベネズエラに軍を派遣するのではないかという情報もあります。






結局、軍の力によってしか解決できないのかと思うと、とても悲しくなります。

ベネズエラで大変なことが起こっているのは紛れもない事実ですが、国際社会の介入が果たして解決に向けた正しい道なのか、ということも、誰にもわからないことです。

日本も決して無関係ではなく、今実際に世界で起こっていることを少しでも知ってもらえたらと思います。

正解があるわけではありませんが、なぜベネズエラがこのような事態になってしまったのか、考えるだけでも私たちの社会をより良い方向に向かわせることができるのではないかと思います。




メキシコ、グアナファト
TeatroJuarez.jpg


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リス太郎

安倍首相もグアイド暫定大統領と同類ですな。アメリカを中心とする世界、中国やロシアを中心とする世界。どちらも歓迎したくありませんね。
by リス太郎 (2019-05-05 22:10) 

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